悩んだ時はナポリ

「ナポリを見て死ね」と言われるほど風光明媚な土地として知られるイタリア南部の都市
ナポリ。

ドイツの文豪ゲーテは、しばらく文学生活から遠ざかっていた後、誰にも告げずに1人イタ
リアへ旅立ち、とりわけナポリを気に入ったそうです。

その理由は、ドイツにはない明るい景観、陽気な人々との出会いであったそうです。

ナポリはゲーテに新しい創作への活力を与えたのは確かなようです。

そのナポリの魅力とは何だろうと、かねてから気になっていたのですが、「イタリア・ナポ
リターナ楽団」の大阪公演があったので行ってきました。

この楽団はナポリ音楽とカンツォーネを演奏するために結成されたオーケストラで、打楽
器はドラムにパーカッションで、ギターとマンドリンが加わると途端にラテンムードが強ま
ります。

楽団全体がラテン系の楽しいムードで観客を楽しませてくれます。

「オー・ソレ・ミオ」は心を晴れやかにし、「サンタ・ルチア」では美しい景色が目に浮かび、
「帰れソレントへ」に胸が切なくなります。

楽しい歌でも悲しい歌でも、ナポリの音楽は「人生を肯定する」音楽であり、明日への希
望、明るい未来への期待が込められています。

「人生って何だろう?」と悩んだ時にナポリの歌と音楽を聴けば「これぞ 人生だ!」とポジ
ティブな答えに気づくのではないかと思います。

ゲーテの言葉が印象的です。

「ナポリは楽園だ。人はみな我を忘れた陶酔状態で暮らしている」