場違いな二人

先日、旧友のK氏から久しぶりに電話があり、ディナーの無料チケットがあるので行かな
いかという誘いをうけました。

有効期限が5月末日までなので、お互いのスケジュールの合う日を設定し、行くことにな
りました。

場所は神戸の北野、中庭の美しいおしゃれなレストラン。

周りのお客さんは全てカップルで、男二人は完全に浮いています。

その時、昔のある光景がフラッシュバックしました。

かれこれ二十数年前の事です。

そのK氏からボトルキープの期限がもうすぐ切れるので、飲みに行かないかと誘われまし
た。

場所は梅田の高層ビルのレストランパブ(この言い方も古い)

予約なしで行ってみると、席は空いているがメニューは二人用のスペシャルディナーセット
のみしかやってないという。

ボトルキープしたお酒を飲むのが目的だったので、仕方なくそれをオーダーしました。

それが間違いの始まりでした。

店内はいつもより暗く、各テーブルにキャンドルの灯りがともっています。

周りのお客さんは全てカップルで、男二人は完全に浮いていました。

その日は2月14日、バレンタインデーナイトだったのです。

運ばれてくる料理は「二人のために」ハートや星形をふんだんに使ったロマンティックな料
理の数々。

完全にアウェーな私達に衝撃の一言が・・・

「今日の二人を記念して、ポラロイドフォトサービスをしています」

ぎこちない男二人の笑顔が写真におさめられました。

そんな日に入った私達が悪いのか、店のマニュアルすぎる対応が悪いのか、わかりませ
んが若い日の思い出の1コマです。

今後、K氏からの誘いは居酒屋にしようと心に決めました。