サムスングループは韓国最大の企業グループで電子、機械、化学、金融、建設等
あらゆる事業を展開している世界的企業です。
企業の成長過程をみると、その時代にあったものを作って売るという手法で、ニー
ズを読みとる力とマーケティング力に非常にすぐれているのがよくわかります。
先日、UAE(アラブ首長国連邦)のドバイに高さ828メートルの超高層ビル「ブルジュ
ハリファ」が完成し、世界の注目を集めました。
あまり日本では報道されませんでしたが、その「ブルジュハリファ」の統括施工業
者がサムスングループのサムスン物産だったのです。
サムスン物産は世界3位の超高層ビルであるマレーシアのペトロナスツインタワー
のタワー2を建設した実績があります。(ちなみにタワー1は日本のハザマ)
「ブルジュハリファ」の建設では初の人工衛星による測量や工期短縮のためにさま
ざまな新しい工法が導入されたそうです。又、作業員もさまざまな国から集められた
のでトラブルのないように、毎朝7時のミーティングと毎週木曜日の親睦ビールパー
ティーは欠かさず行われていたそうです。
又、サムスングループには地域専門家制度というおもしろい制度があります。それ
は南米やアフリカの辺境地に社員を1年間遊学させるという制度です。1年間、会社
のお金でその地域に住んで、いろいろと文化とニーズを学びとることを目的としたも
のです。
1年間、その地域で暮らすと人々の生活、習慣、風土、宗教等が生活レベルでよく
理解され、どのような製品が必要とされるのかがよくわかるのです。
その情報を本社に持ち帰り、製品を開発し現地駐在責任者として再度その地に赴
任し、販売にたずさわるという仕組みです。
日本や欧米の企業が行かないような未開の地が多いため、圧倒的なシェアを握る
ことも多いようです。このようにサムスンは海外市場向けの人材を豊富に育成して
います。
文字通りグローバル企業であるサムスンが、日本ではあまり販売実績がありませ
ん。それは日本の家電メーカーが強いのでシェアを奪うことがむずかしいのです。
しかし、携帯電話を中心に攻勢に出てくるのは間違いないと思います。
今後のサムスン製品に注目していきたいです。