H&Mとイケア

ファッション製造小売業の「H&M」(へネス・アンド・マウリッツ)とホーム
ファッション企業の「イケア」が日本上陸後、順調に売上を伸ばしています。

日本に進出する以前は日本での知名度はあまりなかったと思いますが、
H&Mが年商1兆2500億円を、イケアは3兆円を世界相手に売り上げる
文字通りグローバル企業であります。

その2社は共通する点がとても多いです。

まず第一に、共に人口900万人ほどの北欧のスウェーデン企業であると
いうことです。実はスウェーデンには世界に進出し成功している企業がと
ても多いらしく、その理由は自国のマーケットが小さいので、世界市場を
見据える考え方が定着しているのが主な要因であると思われます。

米・英・仏などの大手企業は自国のマーケットが巨大であるため、自社の
やり方を押し付ける手法が目立ち、失敗するケースが多いようです。

第二の共通点はSPA(製造小売業)でありながら自前の工場を持たない
ファブレス企業であるという点です。両社はローコストを実現するために世
界中に協力工場を持ち、最適生産を実現しているのです。

そして最も興味深い共通点は、物流システムの構築に最大の関心を払っ
ているという点です。まず、物流網の整備をして出店計画を立てるという考
え方で発想がとてもグローバルだと思います。両社ともに世界各所からの
調達や国際ハブ物流によるコストマネジメントに長けており、いかに安くス
ムーズに運べるかを常に商売の基本としているようです。

両社を迎え撃つのは日本の「ユニクロ」と「ニトリ」です。今後もいろいろな
分野でのグローバル企業が日本市場に参入してきます。又、逆に日本企
業も世界に打って出ていきます。限られた市場の中、全員が勝者になるこ
とはあり得ません。変化に対応し、知恵と工夫を駆使した者が勝ち残れる
のではないかと考えています。