きゅうりの季節

「冷やし中華始めました」という店の貼り紙が目につき始めると、今年もきゅうりの季節が来たなと感じます。

きゅうりは夏野菜の代表格。夏になるとその色どりの良さから出番が増えてきます。

私は小さい頃からきゅうりが苦手なんです。

そのため、この季節になると飲食店での料理のオーダーの時に、多分入ってないと思うけど念のために「きゅうりが苦手です」と最後に言い添えます。

その際、必ずといっていいほど「アレルギーですか?」と聞かれます。

「アレルギーではなく、苦手なだけです」と答えるのですが、一瞬変な空気になることがあります。

「アレルギーではなく、単なる好き嫌いですか。子供みたいですね。いい大人がみっともない。」という空気です。

きゅうり嫌い歴の長い私は、すかさず「ズッキーニやなすびは食べれます」とささやかな抵抗をします。

「ズッキーニはかぼちゃの仲間で、なすびはナス科です。きゅうりに近いのはスイカやメロンです。でもスイカやメロンは大丈夫です。」

言えば言うほど子供みたいになってしまいます。

 

ボズスキャッグス公演

4年ぶりに来日したボズスキャッグスの公演に行ってきました。

1970年代後半から1980年代にかけて流行したアダルト・コンテンポラリーを代表するミュージシャンで74歳になる大ベテランです。

現在でも精力的に活動を続けており、2018年8月、ブルースミュージックに回帰したアルバム「アウトオブザブルース」をリリースし、第61回グラミー賞にノミネートされています。

コンサート内容も往年のヒット曲をたくさん演奏してくれて、その当時のままの歌声を聴かせてくれました。

観客層は私より10歳くらい上の人が中心で、それぞれの人が昔の青春時代を想い出しているようでした。

私もボズスキャッグスを聴き始めた頃は大人の音楽へのあこがれが強く、背伸びして聴いていた気がします。

AORのはしりであったボズスキャグスがまだ現役で頑張っていることに感銘を受けると共に、その音楽がとても心地よいと感じる年齢になってきたのを実感しました。

最近のインタビューでボズスキャッグスはこう語っています。

「長年かけてようやく自分の音を見つけた気がする」

長く続けてこそ見える世界があるのだなと思います。

マインダー

仏教の経典 「般若心経」を解説するアンドロイド観音「マインダ―」が3月8日~5月6日まで京都高台寺で披露されています。

高台寺の後藤執事長とロボット研究で著名な大阪大の石黒教授の対談がきっかけで、仏教を身近に感じてもらおうとアンドロイド観音が実現しました。

アンドロイド観音は高さ1.95mで頭部や両手はシリコン、胴体部分はアルミニウム製。

左目の内臓カメラで参拝者を確認し、空気圧で動くそうです。

タレントのマツコ・デラックスさんのアンドロイドを手掛けた会社等が協力して作り、製作費は約2500万円。

アンドロイド観音の背景にプロジェクションマッピングで映像を流し、英語、中国語の字幕が付くので外国人にも理解できます。

「人間とは何か」という法話で、マインダ―は「相手に共感する心はロボットに持ち得ない。人間であるあなたたちに備わる力だ。」と説きます。

後藤執事長は「話す、動く、目を合わせる仏像から心の安らぎを得てほしい」と話しています。

是非、行かねばと思っています。

 

グリーンブック

アカデミー作品賞を受賞した 「グリーンブック」 最近観た映画の中で一番すばらしい映画でした。

題名のグリーンブックは1936年から66年まで発行された、黒人を泊めるホテルのガイドブックのことです。

当時、人種差別が厳しいアメリカでは黒人を受け入れる宿は少なかったので、グリーンブックが必要だったそうです。

1962年、黒人の天才ピアニストのドンは元ナイトクラブの用心棒トニーをアメリカ南部ツアーの運転手として雇います。

ドンは博士の学位をいくつも持ち、洗練された身のこなしをする上品な黒人です。

一方のトニーはたばこの燃えさしを車の窓から投げ捨て、汚い言葉をまき散らす粗暴な白人です。

なにもかもが正反対な二人なので、最初はぶつかります。

しかし、様々なトラブルや困難を経て、二人は心を通じ合わせていきます。

ドンの「尊厳のある生き方」 とは何なのかを説教くさくなく、トニーを通じて感じられる映画です。

又、トニーの「ファミリー愛」 をドンを通じて感じられます。

見終わったあと、心がほっこりと温まる映画でした。

映像の世紀コンサート

映像の世紀は戦後50周年、NHK放送開始70周年、そして映像発明100周年を記念して制作されたNHKのドキュメンタリー番組です。

初回放送から20年以上経ってもNHKスペシャルの中でも人気の高い番組です。

その映像の世紀を巨大スクリーンに写し、ピアノとオーケストラによる生演奏によるコンサートが開催され行ってきました。

場所は大阪のフェスティバルホール。

音響のすばらしいホールで聴く生オーケストラと映像の世紀はとても迫力があり、視覚と聴力の相乗効果で感動は倍増でした。

映像が発明されての100年は戦争の歴史でした。

第一次世界大戦、ヒトラーの登場、第二次世界大戦、東西冷戦、ベトナム戦争と映像は人間の罪と愚かさを如実に淡々と伝えます。

数多くの戦争で貴重な命が奪われ、人々の暮らしが破壊されても人間は争いを止めようとしません。

しかしながらエンディングで流れた人々の笑顔が未来への希望を感じさせてくれます。

次の100年は争いのない平和な時代を作り上げ、人間のすばらしさを証明したいものです。

星空の映画祭

酷暑の大阪を離れ、長野県に行ってきました。

そこで偶然みつけたのが星空の映画祭。

星が美しい原村で夏の間だけ開催される野外映画会で、なんと今年で33回目という恒例行事だそうです。

八ヶ岳自然文化園の野外ステージで毎晩8時に開始されます。

のんびり野外で映画を観るのはどんなものだろうと軽い気持ちで行ってみたら、当日券を求める長蛇の列。

なんとかぎりぎり入場できたと思ったら野外ステージは1000人を超える人で埋まっておりました。

でもそこは日本人のマナーの良さでしょうか。1000人以上いるのに騒がしさはなく、お互いに気を使いながら快適に観賞できるように気を配っています。

かすかに聞こえる虫の声、風に運ばれてくる森の香り、見上げると満天の星空、自然と見事に調和した野外映画会。感動です。

この環境を考えた人はすごいです。

そして何よりも33年も続けているボランティアの方々がすごいです。

日本の素晴らしい一面を感じた夏の思い出でした。

いちご大福の粉

聞いた話です。

男性上司と女性部下がお客さんのところへ向かう途中で何気ない会話がかわされていました。

女性部下 「いちご大福は本当においしいですね。」

男性上司 「おいしいね。」

女性部下 「お店で売ってたら思わず買って、すぐ食べてしまいます。」

男性上司 「そうだね。そんな時もあるよね。」

ひとしきりいちご大福がいかにおいしいかを話しながらとあるオフィスビルのエレベーターに乗り込みます。満員のエレベーターの中で女性部下は続けます。

女性部下 「歩きながらいちご大福を食べると口の周りに白い粉がつくじゃないですか?そ れって気になります?」

男性上司は満員のエレベーターの中で話し続ける女性部下にあぜんとしました。この話を早く切り上げたい男性上司は言いました。

男性上司 「気にならない。」

シーンとしたエレベーター内に突き刺さる視線。

全員がこの話を聞いていて、その答えに反応したのです。

その男性はエレベーターが到着するまで「口の周りについたいちご大福の粉を気にしないデリカシーのない男性」という烙印を押され、冷たい視線にさらされました。

もし自分が同じ立場なら、どう言っただろうかと悩みます。満員のエレベーターに乗る時は少し緊張してしまいます。

クソ野郎と美しき世界

先日、東京に出張した際にすごい数の人たちが並んでいる場所がありました。

その場所は日比谷にある帝国ホテルの商業施設、帝国ホテルプラザの1階で普段はとても静かな場所です。

殺到する人々に入場整理券を渡すスタッフがいて、整理券をもらった人々は静かに長蛇の列の後方に並んでいっています。

「なにごとか!」と好奇心を押さえられなくなった私は係の人に尋ねました。

「何があるのでしょうか?」

「クソ野郎と美しき世界のポップアップショップです」と美しい係の人が言いました。

「・・・・・」 意外な言葉に呆然としてしまいました。

私は知りませんでした。元スマップの稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾らが出演する映画「クソ野郎と美しき世界」のことを。

あまりのインパクトのある言葉に我を失いかけました。

その映画は「ぶっとんでるけど愛がある」 というコンセプトから始まった4本のオムニバス映画で、4月6日(金) から全国86(野郎)館で公開されます。

「新しい地図」という新しい場所で挑戦し続ける3人を応援したいと思っています。

竹田城

先日、雲海に浮かぶ姿で有名な竹田城に行ってきました。

竹田城は兵庫県の真ん中ぐらいに位置しており、大阪から車で約2時間くらいです。

1443年に完成しましたが、1600年に廃城となっています。

竹田城跡の一番の魅力は、石垣がほぼそのまま残っているところです。

自然石をほとんど加工せずに積み上げられるため、大小さまざまな大きさの石が組み合わさっています。

当時、竹田城の石垣を積んだ職人集団には「石の声を聴き、石のいきたいところへ置け」という言葉が伝えられているそうです。

職人技で積まれた石垣は400年以上たった今でも荘厳な姿を見せてくれています。

今回の訪問では、あいにく雲海は見ることができませんでした。

雲海には発生する時期と条件があるそうです。

それは9月から12月、前日の夜に冷え込み翌日よく晴れて暖かく風が少ない時だそうです。

その瞬間は静寂に囲まれ、鳥のさえずりさえも雲海に吸い込まれていく感じだそうです。

雲海に出会うために何度も来る人が多いそうです。

ストラディヴァリウス

ストラディヴァリウスとは1644年に生まれたアントニオ・ストラディヴァリが製作したヴァイオリンの世界的名器。

先日コンサートを聴きに行った千住真理子さんがそのストラディヴァリウスを所有しています。

現在ストラディヴァリウスを持っている人は世界でたった4人しかいません。

千住真理子さんの所有しているストラディヴァリウスはデュランティの愛称で知られています。

そのヴァイオリンはストラディヴァリが1716年に製作してすぐにローマ教皇クレメンス14世に献上され、その後フランスのデュランティ家に約200年所蔵されていました。

その後、このヴァイオリンはスイスの富豪の手に渡りましたが、その約80年後の2002年にその富豪が演奏家のみを対象に売りに出されたため千住家が2億~3億円(推定) で購入しました。

その際、次兄の千住明氏が「僕が何とかする」と言って長兄の千住博氏と連携してお金を必死に集めたと言われています。

ストラディヴァリウスは非常にデリケートで湿度が高いと壊れてしまいます。

そのため千住家ではストラディヴァリウスをヴァイオリンケースに入れ、さらに室内に湿度計を3つ置いて湿度のチェックをしながら大切に保管しています。

又、ストラディヴァリウスを飛行機で運ぶ時は、ストラディヴァリウスのために飛行機の座席を1人分用意し、ストラディヴァリウスにシートベルトをかけ、さらにクッションを敷いて置いているそうです。