鳥越俊太郎さんの生き方

先日、ある企業のセミナーで鳥越俊太郎さんの講演を聴きました。

1940年生まれで今年で72歳になられたそうですが、見た目にはそれほどのお年であると
は全然思えず、とても若々しい印象でした。

福岡の進学校から京都大学に行かれたということなので、大変努力して勉強されたのか
と思いきや、本人曰く「努力することが大嫌い」だそうで、なぜ京大に受かったのかわから
ないと言っていました。

在学中は遊びほうけていたらしく、大学を卒業するのに7年もかかってしまい、就職先に
苦労されたそうです。

その時たまたま受けた毎日新聞に入社し、新聞記者になったのですが、もともと新聞記
者には何の興味もなかったらしいのです。

その後は華々しいジャーナリスト人生だったのですが、2005年にガンになり闘病生活に
入ります。

ガンになった時の事を生々しく講演でしゃべっていましたが、興味深かったのはショック
ではあったけれど一方でラッキーと思われたそうです。

なぜかというと、ガンのことを取材できると思ったからです。

その後、鳥越さんは自らの闘病を映像として記録し、ガンと闘っている人やガンになる予
備軍の人たちへメッセージを発し続けています。

又、「ガン患者」という本も出版し、今やガンのエキスパートになっています。

実は、この講演も生命保険会社の主催でガンのリスクについてでした。

今はもうすっかり元気になって、ガンになる前よりも生き生きとした人生を送っているよう
にみえました。

そう思うと、鳥越さんはガンになったことをポジティブにとらえ、仕事において新たな境地
を発見されたのではないかと思います。

日本の鉄道力

日本はこのせまい国土の中に、1億2000万人以上の人が住んでいます。

特に東京を中心とする都市圏人口は3500万人で、二位のニューヨーク都市圏の1900万
人をはるかに超えて、圧倒的世界一の人口を抱えています。

人口集中のデメリットは公害問題、交通網の混雑、地価の高騰といった問題があるとい
われていますが、以前にくらべて問題は解決の方向に進んでいっているのではないかと
思います。

特に交通網の混雑については、朝夕の通勤ラッシュはありますが、都市圏内での大量
かつ広域間の人口移動を大きなトラブルもなく、日々こなしていることは世界的にみれば
奇跡に近いレベルだと思います。

又、JRや私鉄の郊外線の多くは東京都心と直通運転をしており、乗り換えなしで郊外か
ら都心に入れる利便性は特筆すべきことです。

このように鉄道力の充実には様々な要因があります。

 一、直通運転を可能にする軌道の画一化

 二、時刻表どうりの定時運行

 三、急行・快速運転を可能にする複々線化

鉄道の輸送力が増えることにより、自動車の交通渋滞の緩和、排ガス低減、都心部の
土地有効利用(大規模な駐車場スペースが不要なため)が可能となります。

これらは世界の先進国や途上国の抱える共通の都市問題に対して日本は鉄道力で解
決しつつある証しであるような気がします。

宇宙兄弟のように

5月21日の金環日食ショーはくもり空という予想をくつがえし、日本の多くの地域でみるこ
とができました。

私の住んでいる大阪も天候に恵まれ、太陽が月により欠けていく瞬間を十分に楽しむこと
ができました。

まだまだ、なぞが多い宇宙がもたらす非日常的な現象を、目の当たりにした瞬間、自分の
予想以上に感動している自分を発見しました。

実はその理由に思いあたるふしがあります。

最近、漫画の「宇宙兄弟」にはまっていて毎日のように読んでいます。

ご存知の方も多いと思いますが、「宇宙兄弟」は小学館漫画賞と講談社漫画賞の2冠をと
り、アニメや映画にもなった大人気漫画です。

子供の頃から宇宙にあこがれた兄弟が宇宙飛行士になっていく内容なのですが、単純な
兄弟愛の話ではなく、クールに切磋琢磨していきながらお互いのことを思いやる描写が絶
妙にいいと思います。

漫画でありながら小説にあるような行間を感じ読める作風は、すばらしいの一言に尽きま
す。

「宇宙兄弟」に感動していたので、今回の金環日食がより心にジーンときたのかも知れま
せん。

多分、多くの子供たちが金環日食を体験し、子供の時の貴重な思い出として語り継がれ
ることでしょう。

「宇宙兄弟」に出てくる主人公のように宇宙飛行士になることを目指す子供も、その瞬間に
生まれたのかもしれません。

はじめての感想文

先日、今年読んだ本の中で一番感銘を受けた本に出会いました。

「人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなく
はない」という長いタイトルの本です。

幻冬舎社長 見城徹さんとサイバーエージェント社長 藤田晋さんの共著で、昨年に出版
された「憂鬱でなければ、仕事じゃない」の第二弾です。

「憂鬱でなければ、仕事じゃない」は18万部のベストセラーとなったのですが、第二弾の
タイトルが前作のタイトルを何ら踏襲せず、覚えやすくもなく、とても長いタイトルを付けて
います。過去の成功体験と一線を画す覚悟が出ていてとても新鮮だと思います。

そもそも幻冬舎の社長の本がライバルの講談社から出版されて、ベストセラーになること
自体が型破りな感じがします。

この本は二人の社長のモノの見方、考え方がよく表現されており、人生をどう生きるかと
いう示唆にとんでいます。

特にこの長いタイトルは人の内面をよくとらえ、どのような心構えで仕事に取り組んでいく
べきかを教えてくれています。

「人は自分が評価されていないと思うと、すぐに肩を落とす。しかしそれは過剰反応だ。
努力をみている人は必ずいる。その事実は、努力が実った時にしかわからない。(原文
のまま)」

他人に評価されないとくじけてしまい、その努力をやめてしまいがちになります。

しかしそこで努力をやめてしまうと、すべて終わってしまいます。

努力を重ねることで誰かが気づいてくれます。

くじけずにがんばりぬき、努力を続けることが大事であり、それを支える心の支柱が上記
の考え方ではないかと思っています。

あまりに感激してしまったので、人生で初めての感想文を見城社長あてに書いてしまい
ました。

するとすぐさま、お礼の手紙をいただきました。

さすが素晴らしい人は気づかいが違うとあらためて思いました。

400倍の奇跡

来る5月21日朝7時半頃、日本で金環日食が起こります。

金環日食とは、地球から見て月が太陽にすっぽり入り、太陽の縁からもれる光がリング
状に見える現象です。
 
特に今回は東京、大阪、名古屋という大都市でほぼ完璧な状態で金環日食が見れると
いう173年ぶりの大チャンスなのです。

そもそも日食とは、地球から1億5千万キロ離れた太陽と、同じく地球から三十数万キロ
離れた月と地球の三者が広大な宇宙空間上でまさに一直線上に並ぶという奇跡です。

太陽は地球の百倍の大きさ、月は地球の4分の1の大きさであるので、太陽は月の四
百倍の大きさということになります。

太陽と月の大きさが四百倍も違うのに、地球から見ると太陽と月がぴったりと重なって
隠れてしまうのは、たまたま地球から太陽までの距離(1億5千万キロ)が地球から月ま
での距離(三十数万キロ)の四百倍だからに他ならないのです。

この偶然の一致は、まさしく奇跡でしかないと思います。

いずれ日食は見られなくなると言われています。

なぜなら、月は少しづつ地球から離れていっているからです。

5月21日、太陽と月と地球が一直線になる瞬間、私たちがこの時代この地球に生まれた
奇跡を感じるような気がします。

ゴールドファイルショップ オープン

当社としては3店舗目の直営店として「ゴールドファイルショップ」を大阪中之島にある
リーガロイヤルホテル1Fにオープン致しました。

この直営店は、大阪のスイスホテルと東京のホテルオークラにある「サロンドグレーシ
ョップ」とは少し雰囲気が違います。

日本のビジネスマンに高い人気を誇るゴールドファイルですので、よりメンズっぽい雰
囲気にはなっていますが、他店同様、落ちついた洗練された店です。

品ぞろえはゴールドファイルの紳士靴、紳士鞄、ベルト、革小物を豊富にそろえていま
す。又、アフターサービスにも力を入れ、修理対応もしています。

加えて、当社の「サロンドグレー」の婦人靴もたくさん展開しておりますので、ご夫婦で
又は、ご婦人方だけでも気軽にお越し下さい。

日本の人口の約半分が男性です。

その男性の方にも私たちの靴のはきごごちを知ってもらい、人生を楽しくすごしていた
だきたいという想いから始めた紳士靴事業です。

ゴールドファイルというすばらしいブランドとの縁もあり、今回のショップオープンとなり
ました。

この場を借りまして、ショップオープンのためにご協力、ご尽力していただいた全ての
方々にお礼申し上げます。

ありがとうございました。

101.4%

上記の数字は日本の携帯普及率です。

2011年12月末時点で携帯電話とPHSの合計加入数が1億2989万件と人口を上回り、人
口普及率101.4%となりました。

スマホが浸透してきたので、若い人の複数台持ちが増えたせいもありますが、赤ちゃんや
高齢者も含めた1人1台が実現した形です。

普及スピードも速く、2007年春に8割、2010年春に9割、そして2011年に100%を突破して
います。

他の消費財は世帯あたり普及率で、パソコン76.0%、デジカメ73.3%、薄型テレビ87.9%、
エアコン89.2%、温水洗浄便座70.9%、自動車82.7%と携帯の普及率は突出していると
いえるでしょう。

その反面、固定電話は年々減少し、同じ2011年12月末で3681万件と携帯の3割にも満
たない数字です。

日本の世帯数5200万、事業所数930万から逆算すると世帯の半分に固定電話がなく、当
然FAXも通じません。

新聞の実売部数も3000万ほどなので、新聞を取らずにチラシも見ない家庭がやはり全体
の半分ということになります。

情報を受けとる手段が、ここ10年で劇的に変化しているのが感じとれます。

情報を発信する側としては、どのようなターゲットにどのような手段で伝えていくかというこ
とがますます重要になってくると思います。

テルマエ・ロマエ

話題の大人気コミック「テルマエ・ロマエ」を読みました。

マンガ大賞と手塚治虫文化賞短編賞を史上初のW受賞した「テルマエ・ロマエ」は、シリー
ズ累計500万部を突破した超人気爆笑コミックです。

古代ローマ帝国の風呂専門の設計技師ルシウスは、浴場のアイデアについて悩みまくり、
現代日本へタイムスリップしてしまいます。

そこでルシウスは日本の優れた風呂文化に衝撃を受け、次々とそのアイデアを使ってロー
マに新しい浴場を作っていくというストーリーです。

古代ローマ人と日本人はお風呂が大好きという共通点があります。

単に体をきれいにするだけではなく、癒すために入る風呂文化。

ここに気付く作者の視点がすばらしいと思います。

作者はヤマザキマリさんという女性で、17歳からずっと海外に暮らし、夫はイタリア人という
プロフィールです。

そのような環境が風呂を比較文化論的に考える視点につながったのではないかと思います。

又、古代ローマ皇帝が市内のいたるところに大浴場を建設し、民衆の支持を得ようとしてお
風呂を政治的に利用していたことも興味深いところです。

いよいよこの「テルマエ・ロマエ」が映画となり、4月28日(土)より公開されます。

古代ローマ人役には阿部寛さん、市村正親さん、北村一輝さん、宍戸開さんといった日本
映画界の選りすぐりの濃い顔のキャストが勢ぞろいです。

平たい顔族(日本人)には上戸彩さん、笹野高史さんといったうすい顔の俳優さん達で、奇
跡のキャスティングといわれています。

ストーリーのおもしろさとともに、キャスト陣の顔の濃い、うすいの比較も見所のひとつだと
思います。

心のガレキ

先日、はじめて被災地を訪れました。

陸前高田、気仙沼、大船渡と訪れましたが津波の威力のすさまじさをまざまざと感じま
した。

特に陸前高田は沿岸部に街の中心部が広がっていたため、被害は甚大で街一つが根
こそぎ無くなってしまったという感じでした。

そこに立つとテレビの映像の一部分ではなく、360度広がる何もない世界が広がってお
り、震災以前に街があったことを想像することは容易ではありませんでした。

それはまさに、戦後の焼野原にぼうぜんと立ちすくむ写真とオーバーラップするような感
覚でした。

ガレキはほとんど片付けられていましたが、数ヶ所に分別して置かれている状態で、今
後日本全国で処理が進むことを期待して止みません。

市民会館や体育館等、鉄筋コンクリートの建物だけが残されているのですが、内部は津
波の破壊力のすごさを体感するような壊れようで、多くの方々が亡くなられたことを思うと
悲しみで胸がつまります。

そのような中で、7万本の高田松原のうち1本だけ倒れずに残った松を見ました。

この状況で1本だけ残ることは本当に奇跡的であると感じました。

街は復興に向けて歩み出しています。

街のガレキは間もなくきれいに処理されると思います。

しかし、被災地の方々は皆さん心のガレキを抱えています。

それを取り除くための精神的な支援が継続的に必要であると感じた訪問でした。

驚くべきラジオ通販

先日、あるFM局のラジオ通販をたまたま聴いていました。

ラジオ通販はテレビやカタログと違い視覚に訴えるものがないので、テレビやデジタルカメ
ラ等の性能や使い方の提案をするモノが多いのではないかと思っていました。

ところが、そのラジオ通販で売っていたのはネクタイでした。

男性 「今回、ご紹介するのはイタリアブランドの最新デザインネクタイです!」

女性 「素敵なネクタイですね~。お値段は?」

男性 「10500円です。お見せできないのが残念ですが、ディディールにこだわったイタリア
      ブランドの最新デザインです。」

女性 「いろいろな色とデザインがありますが、今回はどのタイプですか?」

男性 「ここにある全てのネクタイです。」

女性 「えぇ~、全部ですか?たくさんありますけど何本あるんですか?」

男性 「全部で25本あります。ストライプやドット柄、カラーもたくさんありますので様々なビ
      ジネスシーンに応じて選ぶことができます。」

女性 「25本もあれば、4月から社会人になる人にとっても困ることのない量ですね。」

男性 「更に今回はシルク製のネクタイを更に10本お付けして、値段はそのままの10500円
     で特別に提供させていただきます。」

女性 「えぇ~、じゃ35本で10500円ということですか?お得ですねー。」

思わず買いそうになりました。1本あたり300円ですからね。

興味深いのは、始めのうちは声のトーンは比較的低めで落ち着いた感じでしたが、中盤く
らいから女性が驚くたびに声のトーンが上がっていき、最後にはこんなお得な情報は他に
ないというムードになっていました。

ラジオ通販には、リスナーの想像をはるかに超えたインパクトのある提案を短い時間の中
で、ストーリー展開していく脚本力がとても重要だと感じました。

それにしても、あのネクタイはどのくらい売れたのか気になります。