靴下の神様

国内外で「靴下屋」など約270店舗を展開する「タビオ」の創業者である会長の越智直正さんが先日、交通事故で亡くなられました。

会社の事業拠点である「タビオ奈良」に向かう途中、軽トラックにはねられたそうです。

越智さんは1939年愛媛の農家で11人兄弟の末っ子として生まれ、15歳から大阪にある靴下専門の卸店で丁稚奉公を始めます。

13年間の丁稚生活を終え1968年に独立、総合靴下卸売業「ダンソックス」を設立します。倒産の危機を何度も乗り越えながらも自社製品の生産を始めます。

越智さんが追求したのは「はき心地の良さ」。日本の職人にしかできない微妙な技術力が欠かせないため「日本製」にこだわり抜きました。

中国製の安い靴下が市場を占める中、品質を下げずに適正価格で供給し製造から小売りまでを一気通貫で結ぶSPA型企業を作り上げ「靴下の神様」と呼ばれました。

私は越智会長の理念に深く共鳴し、異業種ながら大変尊敬しておりました。

「理想の靴下を作りたい」と言っていた越智会長。82歳になっても靴下のことを考えて会社の拠点に向かわれていたのでしょう。

哀悼の意を捧げます。