牛のげっぷ

牛のげっぷが地球温暖化の要因として注目されています。

メタンを多く含み、温室効果が二酸化炭素の約25倍にも上るといわれています。

農林水産省によると2019年度の農林水産分野の温室効果ガス排出量は約4,747万トン。このうち15.9%に当たる756万トンが牛のげっぷによるものなのです。

同省幹部は「牛のげっぷというと笑い話のようだが、日本政府が50年に排出実質ゼロを目指す中、真剣に対応しなければならない問題だ」と強調します。

そもそも、なぜ牛のげっぷにはメタンが含まれているのでしょうか。

牛は4つの胃を持ち、干し草やトウモロコシなどのエサを飲み込んだ後、胃から口に戻して再びそしゃくする「反すう」を繰り返します。4つの胃で最大の第1胃 (焼肉屋さんのミノ) で消化する過程でメタンを含むガスが発生し、牛がげっぷとして吐き出しているのです。

研究者たちはエサに特定の素材を混ぜればメタンの量をある程度減らせると発見しました。今後は有望な素材をしぼり込み、安定的な供給ができるのか探っていくそうです。

又、牛にも個性があり胃でのメタン発生が少ない牛がいることがわかりました。この特徴は遺伝するのでメタン発生の少ない牛の育種も始まっています。

牛が環境に優しいげっぷをする日が近づいています。