米半導体大手インテルのCEO ボブ・スワン氏が退任しました。
インテルといえば「インテル、入ってる」のCMを覚えてる人も多いと思いますが、最近の多くのパソコンやサーバーにはインテルは入っていません。
あれだけ世界のシェアを握っていたのに状況は大きく変化しました。
背景にあるのはニーズの変化です。
半導体に求められるものが処理能力だけではなくなり、カスタマイズのしやすさが重要視されるようになったのです。
インテルに先んじたのは英国のアームという会社です。
アマゾンやアップルなどの多くの企業がアームの考案した「コア」と呼ばれる中枢部分の基本設計をライセンス契約で買い、用途に合わせてプロセッサーを自由に仕上げる方式を採用するようになったからです。
インテルの企画・設計・開発・販売からアフターサービスまで行う垂直統合型が時代に合わなくなり、ニーズが多様化する中でアームのようないろいろな企業と協業する水平分業型が選ばれていったのです。
一時期、インテルは絶対的覇者として永遠に君臨するかのように思われていた企業でありましたが、時代の流れと技術の陳腐化はすさまじい速度で状況を一変させました。
5Gの時代を迎えるにあたり、自動車や家電等にも半導体が使用されるので今は世界的な半導体不足です。
インテルは新CEOに技術畑のパット・ゲルシンガー氏を起用し、巻き返しを狙います。
今後の半導体業界に注目です。