カタリン・カリコさん

新型コロナウイルスのワクチンが注目されています。

通常、ワクチンの開発には5年~10年くらいの時間がかかるといわれていますが、なぜ1年という超スピードで開発が可能であったのか、疑問を持つ人も多いのではないでしょうか?

そこには長年の研究を積み重ねてきた無名の研究者達の努力がありました。

その一人がハンガリー出身の生化学者カタリン・カリコさん。

彼女はハンガリーで博士号を取得した後、1985年に夫と娘と共に渡米し、ペンシルベニア大でmRNA(メッセンジャーRNA)の研究を始めました。

しかしなかなか成果が出ず、不遇な時代を過ごします。

そんな時、学内で免疫学者のドリューワイズマンさんと知り合い、2005年に共同研究の論文を発表します。

この論文も当初は一握りの人にしか注目されなかったのですが、バイオベンチャーの独ビオンテック社と米モデルナ社の目に留まったのです。

mRNA医薬は長い期間研究され、技術の基礎が確立されていきました。

従来のワクチンよりもmRNAを使ったワクチンは迅速に作ることができるので超スピード開発につながりました。

人類をコロナ禍から救うかも知れないワクチン。

その開発には名も無い研究者達の努力と人との出会いが重なりあっていたのです。