「ここで買う必要はありませんよ。じっくり検討してみて下さい。」
話しているのはオーダースーツ店「ファブリックトウキョウ」の店員。
採寸されたお客は生地見本を受けとり店を出ます。
採寸データはウェブ上に保存されているので、お客は好きなときにネット上で自分だけのスーツを注文できるのです。
「ファブリックトウキョウ」は2012年設立のネット主体のアパレルブランドです。
「店舗は顧客体験の一部にすぎない。必ずしもそこで買ってもらわなくていい。」と森社長は言います。
「店員がその場で売ることを意識しすぎるとお客は買わされている感を抱いて引いてしまう。」
「店ごとの損益を気にしたことはない。店長たちですら自分の店の売り上げを把握していないじゃないか。」と言っています。
「ファブリックトウキョウ」は丸井が運営する全国6店舗にテナントとして入居しています。
丸井グループはリアル店舗を、消費者がブランドと出会い体験する場所として再定義し、従来のビジネスモデルの抜本的な転換にチャレンジしています。
ネットとリアルの融合、小売り業の未来像はそのような形なのかもしれません。