先日、アメリカの小売り大手のシアーズが破産を申請しました。
シアーズはドラッカーが「全米で最も成功した企業の一つ」と称賛するほど米小売り業界の絶対的王者でありました。
原因はIT化という環境変化に適応することができなかったからです。
今、アメリカではアマゾンの台頭により小売業が低迷しています。玩具大手のトイザらスも経営破綻しました。
かつてシアーズは改革を実行するイノベーション企業でした。
20世紀初頭のアメリカは農業が中心で広大な国土に多くの農民が生活していました。買い物をするには都市まで行くか、行商人から高い値段で買うしかなかったのです。
ここに着目したシアーズは農村に対してカタログを用いた通信販売ビジネスを行い、未開拓の需要を取り込みました。
その後、都市部の人口が増加するとその環境変化を受け、通販から小売業へと転換していきました。
扱う商品も自動車や組立式住宅など時代に合わせた商品を次々に開発して販売していました。
まさしくシアーズはアメリカの物流・小売業界の革命児でありました。
その時代にうまく適応してきたシアーズでさえ、アマゾンのもたらした変化の波を越えることはできませんでした。
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」とダーウィンは言っています。
時代の変化に激しい現代で生き残ること自身がとても難しいことなのだと痛感致します。